長距離走で練習メニューを作る前にすべきこと|成果の鍵は「現在地」

目標タイムだけでなく、自分の現在地を知ることの大切さを伝えるランナーのアイキャッチ画像。

先日、高校1年生の陸上部の男子からこんな質問を受けました。

頭も良く、常に何かを模索し続けてる探求心旺盛な方です(^^)

「5000mを15分以内で走れるようになりたいのですが、どんな練習をすればいいですか?」

5000m15分切りというと、高校生でもかなり高いレベルの目標です。

鹿児島県の高校総体でも上位に入ることができるレベルになります。

そこで、普段の練習について聞いてみました。

「普段のジョグはどれくらいのペースで走っているの?」

すると、

「分かりません」

とのことでした。

さらに、

「1000mや3000m、5000mのタイムは?」

と聞くと、

「最近測ったことがありません」

とのことでした。

目標はあっても「現在地」が分からないランナーは意外と多い

実は、このような状況は決して珍しいことではありません。

高校生だけでなく、市民ランナーの方でも同じようなケースは意外と多くあります。

「とりあえず毎日走っている」

「SNSで見た練習を真似している」

「動画サイトやAIを参考に練習メニューを作っている」

もちろん、それ自体が悪いことではありません。

ただ、一つだけ抜け落ちていることがあります。

それは、自分が今どこにいるのかを知ることです。

目標だけでは練習メニューは作れない

これは家づくりに似ています。

家づくりランニング
どんな家を建てたいか決める目標タイムを決める
土地や予算などの条件を確認する今の実力(1000m・3000m・5000m)を把握する
設計図を作る練習メニューを作る
実際に家を建てる日々の練習を積み重ねる

家を建てるときも、「どんな家を建てたいか」という目標だけでは設計図は作れません。

まずは、今ある土地の条件や予算などを把握し、その条件に合わせて設計図を作っていきます。

ランニングも同じです。

「5000m15分切り」という目標だけが決まっていても、すぐに練習メニューを作ることはできません。

今5000mを16分台で走れる人と、18分台の人、20分台の人では、必要な練習がまったく違うからです。

家づくりでいう土地や予算が、ランニングでは今の実力にあたります。

そして、その実力に合わせてジョグのペースやインターバル走の設定タイムなどの練習計画を決めていきます。

これが家づくりでいう設計図になります。

家づくりもランニングも、目標だけでは前に進めません。

まずは「今の条件」を知ることが、その後の計画づくりにつながります。

まずは自分の現在地を知ろう

そこで今回の高校生には、まず1000m、3000m、5000mのタイムを測ってみることを提案しました。

1000mではスピード能力、3000mではスピード持久力、5000mでは総合的な持久力の目安が見えてきます。

これらを知ることで、普段のジョグペースや、インターバル走などの設定タイムも決められるようになります。

最近は、練習方法を調べる手段も増えてきました。

SNSや動画サイト、AIなどを活用すれば、さまざまな練習メニューを簡単に知ることができます。

ただ、どれだけ優れた練習メニューでも、自分の現在地が分からなければ、本当に自分に合っているのかを判断することはできません。

これはAIに聞くときでも同じです。

自分のタイムや競技歴などの情報があれば、より自分に合った答えを得ることができます。

大切なのは、「どんな練習をするか」を先に探すことではありません。

「今の自分に必要な練習は何か」を考えることです。

目標を決める。

今の実力を知る。

そして、自分に合った練習を組み立てる。

この順番を意識するだけでも、練習の質は大きく変わってきます。

「どんな練習をすれば速くなるか?」と思ったら、まずは1000m、3000m、5000mを一度測ってみてください。

その数字が、取り組むべき練習のヒントになります。

ランニングも施術も、最初にやることは同じ

実はこれはランニングだけの話ではありません。

当院には、ランニングによる痛みだけでなく、練習方法や身体の使い方について相談に来られるランナーの方も多くいらっしゃいます。

そして、いきなり「この運動をしましょう」「この施術をしましょう」と決めることはありません。

まずは身体の現在地を確認し、その人に合った方法を一緒に考えることを大切にしています。

答えを探すことも大切ですが、その前に今の自分を知ること。

それが、目標に向かうための大切な一歩になると思います。

もし、「今の自分にはどんな練習が必要なのか分からない」「走るといつも同じ場所が痛くなる」という方は、一人で悩まず相談してみてください。

数字だけでなく、身体の状態も含めて現在地を知ることで、次に進むべき方向が見えてくることもあります。