ランニング中やマラソン大会で、突然脇腹が痛くなった経験はないでしょうか。
ペースを落とせば少し楽になるものの、スピードを上げると再び痛くなる。
ひどい場合には、脇腹痛が原因で目標タイムを諦めなければならなくなることもあります。
実はぼく自身も、長年この症状に悩まされていました。
しかも一般的に言われる「脇腹痛」とは少し違います。
場所は右脇腹というより、右腰の少し上の背中寄りです。
指で一点を示せるような痛みではなく、その周辺が広く重だるく痛むような感覚でした。
フルマラソンでは10km前後から症状が出始めることもあり、後半になると走ることが困難になるほどでした。
当時は原因が全く分からず、
- 食事
- カーボローディング
- 呼吸法
- 体幹トレーニング
など、思いつくことは片っ端から試しました。
今回は、その過程で気付いたことと、現在ぼくが考えていることを書いてみようと思います。
ランニング中の脇腹痛は完全には解明されていない
意外に思われるかもしれませんが、ランニング中の脇腹痛は現在でも完全には解明されていません。
というのも、「脇腹痛」と一言で言っても、全員が同じ原因で起こしているわけではないからです。
一般的には次のような原因が考えられています。
腹膜への刺激
走る振動によって腹膜が刺激され、痛みが出るという説です。
現在もっとも有力な説の一つとされています。
横隔膜へのストレス
呼吸を繰り返す横隔膜が疲労し、痛みにつながるという考え方です。
内臓の揺れ
走るたびに胃や肝臓などの内臓が揺れ、その刺激によって痛みが出るという説です。
体幹機能の問題
体幹がうまく使えていないことで上半身の揺れが大きくなり、脇腹痛につながるという考え方です。
実際、これらが原因になっている方も多いと思います。
しかし、ぼくの場合はどうもこれらではありませんでした。
ぼくが経験した右腰上の痛み
ぼくは最初、糖質不足や肝臓疲労が原因なのではないかと考えていました。
カーボローディングを行った大会では症状が軽くなったこともあり、当時はかなり本気でそう考えていました。
しかし、その後も自分の身体で様々な実験を繰り返していくうちに、どうもそれだけでは説明できないことが増えてきました。
その中で気になったのが、水分摂取との関係です。
水分をしっかり摂れている時には症状が出にくい。
逆に、水分摂取が少ない時には症状が出やすい。
ランニング中の脇腹痛には、
- 気温
- 湿度
- 疲労
- 練習量
- ペース
- 栄養状態
など様々な要因が関係します。
そのため、
「水分不足が原因だ」
と断定することはできません。
ただ、長期間観察している中で、水分状態との関連は無視できないように感じていました。
患者さんの身体にも共通点があった
その後、整骨院で患者さんを診るようになり、ある共通点に気付きました。
腰痛を訴える方の中に、右腰上の背中寄りに独特の張り(コリコリした感じ)を触れる方がいるのです。
触診をしていると他の筋肉の張りとは少し違う印象を受けます。
興味深かったのは、そのような方の中に、水分摂取量が少ない方が多かったことです。
また、水分摂取を意識してもらった後に腰の症状が軽減したり、消失する方もいました。
ただし、ここは誤解しないでいただきたいのですが、
「水を飲んだから治った」
と証明できるわけではありません。
腰痛には自然に改善するものもありますし、生活習慣や運動量の変化など他の要因も考えられます。
あくまでも、ぼくが臨床の中で繰り返し感じた傾向です。
なぜ右腰上に現れるのか
ここから先は、ぼくの考察になります。
最初の頃は、腎臓そのものが関係しているのではないかと考えていました。
しかし、腎臓を深く研究されてる医師と話をしたところ、脱水によって腎臓が腫れ上がり、それが体表から触れられるという考え方は現実的ではないとのことでした。
そこで別の可能性を考えるようになりました。
実は人間の身体には、内臓の問題が別の部位の痛みとして現れることがあります。
例えば、
- 胆嚢の炎症で右肩が痛くなる
- 心筋梗塞で左肩や顎が痛くなる
- 尿管結石で鼠径部が痛くなる
といった現象です。
これは「関連痛」と呼ばれています。
原因となる臓器と、実際に痛みや違和感を感じる場所が一致しないことは珍しくありません。
ぼくが触れている右腰上のコリコリも、もしかすると同じような仕組みが関係しているのかもしれません。
もちろん現時点では仮説です。
証明できたわけではありません。
しかし、
- 自分自身のランニング経験
- 患者さんへの触診
- 水分状態との関連
これらを考えると、何らかの関係がある可能性はあるのではないかと考えています。
現時点での結論
現時点でぼくが言えるのは、
- ランニング中の脇腹痛には様々な種類がある
- ぼく自身は右腰上の背中寄りに痛みが出ていた
- 水分状態との関連を感じている
- 患者さんでも似た傾向を観察することがある
ということです。
ランニング中の脇腹痛や原因不明の腰背部の張りで悩んでいる方は、ストレッチや筋トレだけでなく、日頃の水分摂取にも目を向けてみる価値はあるかもしれませんよ(^^)

