股関節の外側が痛い。
歩き始めが特に気になる。
強い痛みではないけれど、重い、張る、つい手でトントンと叩きたくなる。
股関節の外側の症状は、必ずしも「ここがズキッと痛い」とはっきりしているとは限りません。
こうした症状では、股関節の外側から前側にある筋肉に負担が集中していることがあります。
ただし、
「筋肉が硬いから痛い」
だけでは、十分な答えになりません。
大切なのは、なぜその筋肉ばかりが頑張っているのかを考えることです。
股関節の外側が痛む原因は一つではない
股関節の外側には、歩くときに身体を支えたり、脚を動かしたりするために働く筋肉や腱があります。
例えば、大転子と呼ばれる股関節外側の骨の出っ張り周辺では、お尻にある中殿筋や小殿筋などが痛みに関係することがあります。
こうした殿筋の問題は、外側股関節痛の代表的な原因の一つとして知られています。
一方、実際に身体を確認していると、もう少し前側にある筋肉が強く張っている人もいます。
そこで出てくるのが、大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)です。
大腿筋膜張筋ってどこ?
名前だけ聞くと難しいですが、位置はそれほど難しくありません。
骨盤の前外側あたりから始まり、太ももの外側につながっている筋肉です。
脚を外へ動かしたり、股関節を内側へ回したりする働きがあり、立っているときや歩いているときの股関節の安定にも関わっています。
股関節の外側が気になる方の身体を確認すると、この大腿筋膜張筋がパンパンに張っていることがあります。
では、大腿筋膜張筋をほぐせば、それで終わりなのでしょうか?
ここでもう一つ考えたいことがあります。
なぜ、その筋肉が張っているのか?
筋肉が硬くなっているということは、そこに負担がかかっている可能性があります。
そこで、硬くなった筋肉だけではなく、身体全体を見ていきます。
実際に股関節痛の患者さんを診ていると、骨盤が後ろへ傾いている、猫背になっている、お尻や内ももの筋肉が弱い、がに股で歩くといった特徴が重なっていることがあります。
ただし、
「骨盤が後傾したから、大腿筋膜張筋が硬くなった」
と単純に決められるものではありません。
どちらが先なのかではなく、身体全体のバランスの中で、大腿筋膜張筋に負担が集中する状態になっていないか。
ここを見ることが大切です。
外側股関節痛のある人では、歩行時の骨盤や体幹の動き、股関節にかかる力に違いがみられることも報告されています。
外側の股関節痛は、動かすことも大切
股関節が痛いと、
「動かさない方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
もちろん、強い痛みがある状態で無理に動かす必要はありません。
一方で、股関節外側の症状では、状態に合わせて適切な負荷をかけ、必要な筋肉を正確に使っていくことが改善につながる場合があります。
実際、殿筋障害を対象とした研究でも、負荷の管理についての指導と運動を組み合わせた方法で、痛みや機能の改善が確認されています。
大切なのは、たくさん動かすことではなく、今の身体に合った負荷で、正しく動かすことです。
まとめ
股関節の外側が痛い、張る、なんとなく気になる。
そんなときは、まず外側にある筋肉や腱の状態を確認します。
そして、大腿筋膜張筋などが強く張っていたとしても、
「硬いから、そこをほぐす」だけで終わらせない。
なぜその筋肉に負担が集まっているのか。
筋肉量や筋力、姿勢、歩き方まで見ながら考えていくことで、股関節外側の症状をより深く理解することができます。
必要に応じて施術だけでなく、身体に合った負荷をかけて動かしていくことも大切です。
