股関節外側の痛みを改善するには?|整骨院での治療とセルフケア
1. 評価・検査
股関節外側の痛みは、その部位自体が「使いすぎた結果」であることが多く、
真の原因は骨盤の制御不全や体幹・股関節の連動性の乱れにあるケースが非常に多く見られます。
- 大殿筋・大腿筋膜張筋(TFL)・腸脛靭帯の連結構造をもとに、筋緊張や圧痛、滑走性、筋力の左右差を評価
→ 解剖学的には、TFLと大殿筋が腸脛靭帯を構成し、その緊張バランスが症状に直結 - 中殿筋の機能評価(特に片脚立位での骨盤保持能力)も必須
→ 直接腸脛靭帯には付着しないが、代償的なTFL過活動を招く原因となりやすい - 骨盤の傾き、股関節外転・外旋の可動域制限、体幹の制御力をチェック
- 腹筋下部の働き(腹横筋・骨盤底筋の安定力)を確認し、骨盤の中立位維持能力を見極める
- 歩行・片脚立位・ランニング時の骨盤のブレ、着地位置、軸のねじれを動作分析
※評価のポイントは「腸脛靭帯やTFLの緊張はあくまで“結果”である可能性が高い」ということ。
骨盤・体幹・股関節の連動性、特に“支える力”の機能低下を見落とさないことが鍵となります。
2. 手技による施術
股関節外側の痛みに対する施術では、大殿筋・TFL・腸脛靭帯の張力バランスと、
それに影響を与える股関節・骨盤まわりの筋肉と滑走性に注目してアプローチします。
- 大殿筋・TFLの過緊張や筋膜癒着を解除し、腸脛靭帯にかかる不均衡な牽引を軽減
- 腸脛靭帯とその周辺組織(外側広筋・大腿骨外側上顆)との滑走改善を図る
- 股関節外転・外旋方向の関節モビリゼーションにより、可動域と滑らかさを回復
- 中殿筋・腹横筋・骨盤底筋など深層筋群が機能しやすい状態を整える
→ 骨盤の中立位が保たれやすくなり、TFLへの代償的負荷が減少
※筋膜の滑走不全や、骨盤前傾/反り腰によるTFL優位の動作パターンをリセットし、
本来使うべき筋が自然に働ける“余白”を作ることが目的です。
3. リハビリ・運動療法
筋力そのものも大事だが、それだけではなく、「動きの質・支える能力・軸の保持」を高めるファンクショナルトレーニングを中心に、代償を起こさず、正しく動ける体を再教育していきます。
- 腹筋下部(腹横筋・骨盤底筋)の活性化 → 骨盤中立位の再構築
例:ドローイン+ヒールスライド、ASLR with 呼吸、デッドバグ - 中殿筋を主働とした片脚支持トレーニングで、TFLの代償活動を抑制
例:SLヒップヒンジ、スケーターバランス with コントララテラルリーチ - 大殿筋・内転筋を協調的に使う多関節運動で、外側過負荷からの脱却
例:スプリットスクワット、ワイドスクワット+股関節内旋モビリティ - 動作連鎖・タイミング・全身協調性を重視した運動
例:ラテラルジャンプ to バランス、片脚ランジtoツイスト、トルソー回旋運動
※「正しく支えながら動く」という機能を高め、中殿筋やTFLに“頼らずに済む体”を獲得することが目的です。
急性期は過剰な負荷を避け、中立位の意識を獲得してから動的トレーニングに移行します。
4. 日常・ランニング動作の見直し
外側の痛みを繰り返さないためには、日常やランニング中の「体の使い方のクセ」にアプローチする必要があります。
- オーバーワークや同一コース連続走行など、習慣的ストレスの見直し
- 接地位置・骨盤の傾き・軸足のブレなど、フォーム上のリスクを動作分析でチェック
- 自宅で行えるセルフケア(フォームローラーや中臀筋活性トレーニング)の指導
- シューズの劣化や硬い路面による外部ストレスの管理方法のアドバイス
※いくら施術を行っても、フォームや環境への適応が伴わなければ痛みは再発しやすくなります。再発予防には「セルフケア+フォーム改善」が不可欠です。
実際に股関節外側の痛みで来院されたランナーの症例はこちらでご紹介しています。
▶ 【股関節外側の痛みの症例集】
股関節外側の痛みの詳しい原因をもっと知りたい方はこちらもぜひご覧ください。
▶ 【股関節外側の痛みの原因解説ページ】

〒892-0855 鹿児島市冷水町1-27
TEL:099-239-3336
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00-13:00 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | – | – |
15:00-19:00 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | – | – | – |