ランニング障害を治療するにあたって
走るという動作は、単に脚を前に出すだけではありません。着地の衝撃を受け止め、地面を押し、その力を前方向への推進力へ変えていく全身を使った非常に複雑な運動です。
ランニング障害は、単なる「走りすぎ」だけで起きているとは限りません。膝・股関節・脛・足首などに繰り返し痛みが出る場合、多くは身体の使い方そのものに問題があることが多いのです。当院では、ランニング障害の根本原因を痛みのある部位だけの問題としてではなく、背骨・骨盤・股関節などが連動して機能しているかどうかの問題として考えています。
背骨がうまく機能していないと、力が前ではなく上下や左右へ逃げてしまいます。すると身体が左右にブレ、骨盤が後ろに傾き、股関節が十分に伸びなくなり、股関節周囲の筋肉が必要以上に働いてしまうといった状態が起こります。その結果、股関節・膝・脛・足部などさまざまな部位に負担が集中し、同じ場所を繰り返し痛める原因になります。
私はランニングを「必要以上の上半身のひねり動作を抑えながら、地面から得た力を前方向へ効率よく伝える運動」だと考えています。一流ランナーほど、力を前方向へ効率よく伝える精度が非常に高いといえます。重要なのは単純に大きく動くことではなく、全身が連動しながら力を効率よく前方向へ伝えられる状態を作ることです。背骨・骨盤・股関節はその中心的な役割を担っています。
当院では、まず施術を通して筋肉の状態・関節の動き・左右差・フォームのクセ・身体の反応などを丁寧に確認していきます。その上で、フォームの改善・股関節周囲の安定性向上・体幹機能のトレーニング・身体の使い方の修正を段階的に行いながら、走り続けることができる身体へ変えていきます。
だからこそ施術だけで終わるのではなく、「なぜその痛みが繰り返されるのか」まで含めて身体を診ていくことを大切にしています。