【ランニングで股関節の後ろ側(中殿筋〜梨状筋付近)が痛くなる原因】

股関節後ろ側の痛み

股関節の後ろ側の痛みとは?

股関節の後ろ側(お尻の奥、特に中殿筋〜梨状筋付近)に現れる痛みは、ランニングを習慣化している人や、長時間の立位・デスクワークを日常的に行う人にしばしばみられます。
この部位には、大殿筋や中殿筋といった股関節の伸展や外転を担う主要な筋肉に加え、梨状筋や深層外旋六筋といった姿勢制御に関与する小さな筋群も多く存在しています。

初期段階では、お尻の奥に張るような感覚や、立ち上がりでの詰まり感として出ることが多く、進行すると坂道や着地動作のたびにズキッと痛みが走るようになることもあります。
一見、筋肉の硬さが原因と思われがちですが、背景には骨盤の傾きや体幹の安定性不足といった、より根本的な運動制御の問題が潜んでいることが少なくありません。

なぜランナーに多いのか?

ランニングでは、片脚立ちの状態が連続的に続くため、股関節と骨盤の安定が不可欠です。
理想的には、股関節周囲の筋肉が連動して働き、骨盤を中立に保ちながら身体を前方へと推進させます。

しかし、腹筋下部や骨盤底の働きが弱いと、骨盤の傾きが安定せず、股関節の後ろ側にかかるストレスが増えていきます。
結果として、殿筋の動員が遅れたり、過剰な緊張が続いたりすることで、局所的な痛みや違和感へとつながっていきます。

このような状況では、特定の筋力や柔軟性よりも、全身の動きを調和させる力(協調性やタイミング)が重要となります。
身体の一部だけを鍛えるのではなく、動きのつながりを回復することが、症状の改善と再発予防につながります。

以下のようなランナーは、股関節後ろ側の痛みを起こしやすい傾向があります。

原因の主なタイプ

原因カテゴリ詳細内容
骨盤中立位が保てない腹筋下部や骨盤底筋の機能低下により、骨盤が前傾または後傾し、殿筋群に代償的な負荷がかかる
動作の癖着地時に膝が内側に入る、腰を反らせて走るなど、繰り返される癖が殿筋に慢性的なストレスを与える
動きの連動性の欠如体幹や肩甲帯との協調が乏しく、股関節だけで動こうとするため、負担が集中する
体幹と殿筋やハムストリングスとの協調不足など
出力のタイミング異常殿筋群の反応が遅く、代わりにハムストリングスや腰部筋に過剰な働きが生じる
環境要因長時間座っていることによって殿筋の機能が低下し、走行中にうまく再活性化されないなど

まとめ

股関節後方の筋肉は、身体を支える・押し出すといった基本動作の中心となる部位です。
この部位に痛みが出るとき、多くの場合は局所の問題というよりも、体幹の不安定さや骨盤の位置異常、動作の乱れが背景にあります。

「お尻の奥がつっぱる」「坂道を走ると違和感が出る」「ストレッチしても奥の痛みが残る」
そういったサインが出ている場合は、殿部そのものに注目するのではなく、骨盤を中立に保つ感覚や、腹筋下部の正しい使い方を取り戻すことが大切です。

一部の筋肉を強化したり緩めたりするだけではなく、体幹と下肢をつなぐ連動性を見直し、日常の動きやランニングフォームの質を高めることが、再発しにくい身体づくりにつながります。


股関節後ろ側の治療方法についてはこちらで詳しく解説しています。

【股関節後ろ側の治療方法】ランニングによる股関節の後ろ側の痛みを根本から改善

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