長距離を走る人の股関節が痛い原因を考える〜パート1、長距離を走る人の貧血について〜

今回の記事は股関節痛とは関係ないように思えますが、後々繋がりますので是非ご覧ください。

全部で3回に分けて書く長編になりますが、股関節痛で悩まれてる方々の何らかのヒントになれば幸いです。

目次

走ると貧血になる?

約10年前から走り始め、様々な事を勉強してきました。
その中でずっと疑問に思っていたことがありました。

『ランナーの多くがなぜ貧血になるのか?』

これについてインターネットや様々なランニング系の本には「足の裏で着地をするとその衝撃で赤血球が破壊され貧血になる」と書かれています。
この意見には、真っ向から反対です。
そんな道理が通ったらプロのランナーたちや高強度の練習をしている人たちの赤血球は全て死滅しているはずです。
これに関して、ぼくが考えていたことは「大量の汗が体外に出るためその際ミネラル分が出るためではないだろうか」でした。

自分で書いていながら本当にそうなのだろうか?とも思っていました。
この疑問が解決する時がきました!
ややこしい話になりますが、きっと役に立つ情報だと思いますので最後までお付き合いください( ^ω^ )

本当の貧血

「貧血」とは一体どのような状態のことを言うのでしょうか。
「ヘモグロビン値が低い」「赤血球数が少ない」この二つが大多数の理解ではないでしょうか。
赤血球の中にヘモグロビンという酸素の受け渡しをしてくれるタンパク質があるのですが、そのヘモグロビンを作る際鉄が必要になります。
実際は鉄だけでなく葉酸とビタミンB12も必要になってきます。
そしてビタミンCも同時に摂るとヘモグロビンの合成が進みます。
ですので、貧血と診断された場合鉄だけでなく、葉酸・ビタミンB12・ビタミンCを同時に摂取した方が良いです。
 
では、ここから少しずつ奥へ進みます。
聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが「フェリチン」というタンパク質があります。
このフェリチンは主に肝臓にあり脾臓・心臓にもありますが、全身にあります。
このフェリチンは鉄の貯蔵庫です。
体内の鉄の70%が赤血球にあり、残りの30%がフェリチンとしてあります。
簡単に説明すると、赤血球は財布フェリチンが銀行のようなものです。
日々の生活は財布の中のお金で暮らし、1ヶ月の生活費や何か金額の大きな買い物をするときに銀行でお金をおろすのと同じで、赤血球に含まれる鉄は日々の暮らしで使われ、フェリチンは体内の鉄が足りなくなった時に使われます。
このフェリチンが大変大事なのですが、実はこのフェリチンの値の基準値は物凄く幅が広いです。
一般的な基準値 男性:21〜282(ng/ml)女性:5〜157(ng/ml)
この数値の幅がどれだけ広いかはわからないと思いますが、かなり広いです。
広島県で「ふじかわ心療内科クリニック」をされている藤川徳美先生が提唱する値は100(ng/ml)以上です。
藤川先生の著書を読まれるとわかりますが、日本人女性はとにかく鉄分不足が著しいです。
藤川先生が提唱する基準値に満たない20〜49歳の女性は99%だそうです。
ほとんどの女性が貧血状態とのことです。
是非皆さん藤川先生の著書を読んでください。
これは全世界の女性は見るべきだと思えるほどの本です。
いや、女性だけでなく全ての人が見るべきだと思います。

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書)


 
題名に「うつ・パニック」の文字があるので自分に関係ないと思うかもしれませんが、とにかく読むとわかります。
不妊のことや発達障害、産後うつ、エネルギー代謝の話など多岐にわたって詳しく書かれてます。
もちろん女性だけでなく、男性にもお勧めします。
 
話がそれました(゚ω゚)
フェリチンの話でしたね。
赤血球量・ヘモグロビン量が正常値でもフェリチン値が低いとそれは隠れ貧血となります。
では、これとランナーの貧血と何の関係があるのかという話です。
ここからより奥深く話が進んでいきますよ〜(*゚∀゚*)

鉄の役割


ここでぼくがいくら詳しいことを書いてもわけがわからなくなると思うので、かなりザックリと例えながら書きます!


エネルギーを作る際、クエン酸回路(TCAサイクル・TCA回路)というものがあります。
例えるなら、このクエン酸回路とはエネルギーを作る「工場」と思ってください。
この工場に糖や脂肪が原料として送り込まれます(厳密にいうとそれらがそれぞれ分解された状態で工場に運び込まれます)。
糖は工場に入る前に勢い余って2個のエネルギーを作ってしまいますが、工場に入った後、36個のエネルギーを作り、脂肪は工場で129個のエネルギーを作ります。
工場で作られたエネルギーをそれぞれ必要な箇所に送り込みます。
物凄くザックリとした説明ですが、これが人体のエネルギーの構造です。
 
上記した工場では当然働く”人”がいないとエネルギーを作ることが出来ません。
エネルギーを作る際の役割が分かれているので、様々な能力を持った人がいないとエネルギーを最終的に作ることが出来ません。
その様々な人というのが「ミネラル」です。
主に鉄・マグネシウム・ビタミンB群(これはミネラルではありません)が盛んに働いています。
このミネラルたちがいないと工場が稼働しません。


そして、工場で作られたエネルギーを運ぶ役目は「鉄」の役目です。
簡単な話この時の鉄は「運び屋」です。
ここまで説明して勘の良い方は気付いたと思います。
このエネルギーを作る過程で鉄を結構使っているのです。
持久系のスポーツをする場合、エネルギーが多量に必要ですのでそれだけ鉄を多量に使います。
このエネルギーの産出によって体内の鉄が足りなくなり、貧血になってしまうのです。
 
これに合わせて女性の場合、生理があります。
生理によって体から大量に血液が出るということは、鉄も一緒に出てしまいます。
持久系スポーツをしている女性の生理が止まるということはよく聞きますが、これはエネルギーを多量に使うことと生理のダブルによって鉄不足となり、脳がこれ以上鉄不足になると生命維持が出来なくなるということで生理が止まるのではないかと僕は考えてます。

鉄はとっても大事!


鉄はとにかくメチャクチャ大事です。
上記した工場で作られたエネルギーの運送で鉄を使うという説明をしました。
もし鉄不足だと、いくらエネルギーを作っても運んでくれないので力が出ません。
また、工場の中の人がいないと工場も稼働できません。
ということは、エネルギー自体作れないということになってしまいます。
ですので、ミネラルもしっかり摂取しないといけません。
そして鉄と同レベルで大事なものがタンパク質です。
全ての細胞がタンパク質で出来ていると言っても過言ではありません。
その元となるタンパク質を普段からかなり摂取していないといけません。
これ以上は今回の趣旨から離れそうなのでやめときます(・ω・)
最後になりますが自己判断で鉄を飲み過ぎないようにしましょう。
中々ないことですが、鉄過剰症になることもありますので、信頼出来るお医者さんのもとで検査し判断してもらいましょう。
是非その辺のこともしっかり書かれている藤川先生の著書を読んでみてください!
価値観が変わると思います!

終わり

次の記事は疲労骨折について書きます。

股関節痛のことなのに、なんで疲労骨折なの?と疑問に思うでしょうけど、本当に繋がりますので楽しみにされてください。

そして、今度の記事はもっと理論的な話になるので面白くないと感じるかもしれませんが、なるべく興味を持って読み進めれるように頑張ります!

それでは次回をお楽しみに!

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